謎に包まれたバンド『進行方向別通行区分』

進行方向別通行区分はVocal&Guitar:田中、Guitar:真部脩一、Bass:橋本アンソニー、Drum:西浦謙助による日本のバンドである。2012年1月のライブを最後にBassの橋本アンソニーが脱退した。過去メンバーにDJ大宮など。

解散と再結成を繰り返す謎に包まれたバンド進行方向別通行区分。このバンドは某大学某サークル在籍中にVocal田中の呼びかけにより結成された。田中のズバ抜けた作曲センスと珍妙な歌詞、真部, アンソニー, 西浦の高い楽器演奏能力が混ざって生み出される独自のサウンドは一部で高い評価を得ている。進行方向別通行区分のメンバーは相対性理論, アゼル&バイジャンと一部重複しており、相対性理論の前身バンドと呼ばれることもある。

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毎回が解散ライブであり、ライブ直前に再結成して終了と同時に解散する。これまでに20回を超える解散ライブを行っている。ここ最近は半年におよそ一回、数日立て続けにライブを行っている。ほぼ全てのライブが東京近郊で行われるが、一度だけ京都・名古屋ツアーを行ったことがある。ライブの告知はメンバーのtwitterで突然行われることが多い。
初期に作られた楽曲は4分前後の曲であることが多く、歪ませたギターとスラップを効かせたベースサウンドに特徴がある。また”池袋崩壊”や23show”といった刺激的な曲名と歌詞があり、一部で社会派バンドと呼ばれたりもしたが気のせいかもしれない。最近は空間的エフェクトの効いた2分前後の短い曲が増えた。

 

これまでに発売した(重複した曲を除いた)CDは5枚。ライブ会場のみの販売であり、いずれも一般流通はしていない。ライブ会場でもファンに対してCDの供給数は十分でなく、オークションでプレミア価格がついていることも珍しくはない。

  • 世界は平和島
  • 三千世界2
  • 一悶着先輩Z
  • よーし、いくぞ
  • 男の、このシャクシャク感

いずれも1枚500円。ヤフオクやdiskunionなどで中古盤が販売されているが、中には元のCDRをコピーした粗悪版も出回っているので注意が必要だ。

 

なぜ進行方向別通行区分は一部で熱狂的な人気をあつめているのか?第一の理由は田中が作り出すキャッチーで中毒性の高いフレーズであろう。まずは以下の楽曲を聴いてほしい。
世界は平和島
アーケードテンプテーション

ナンバーガールのように鋭く歪み、明確な音階を持たない田中のテレキャスター。そのギターにメロディアスなサウンドとファンキーなグルーヴを加えているのは真部, アンソニー, 西浦だ。早弾きと空間系エフェクトとワウを組み合わせたギター, 曲によってスラップとメロディアスなサウンドを弾き分けるベース, 正確でダイナミックなドラムプレイ、そこに時々盛り込まれるカウベル。強い個性を持ったメンバーが互いを潰すことなく1つのサウンドを成り立たせているバンドは珍しいのではないか。Sound Cloudでは10曲程度が公開されている。アルバムが手に入らない人は必聴である。

 
 
ライブの入場曲はとなりのトトロ、MCと歌詞はハチャメチャな田中ワールド、ライブの終わりに入る小芝居。進行方向別通行区分は大まじめに変なことをやるバンドだ。一見するとシュールなコメディ、しかし音楽のクオリティは異常に高い。こんなミスマッチが一度聴いた人を虜にして離さない中毒性を生み出しているのだ。これまでも、そしてこれからも定期的な活動をしないと思われる進行方向別通行区分。もし機会があれば是非一度その音を聴いて欲しいと思う。