~AGED TOWN~新しい相対性理論のアルバム

相対性理論の新アルバムTOWN AGEを買った。新体制で初めてとなるアルバムは「バンドとは何か?」を考えさせられる一枚だった。

 

荒削りだが無限の可能性を秘めた歌声と古臭いロックが組み合わさった1stアルバムの虜になってからもう6年以上経ったのだろうか。スマトラ警備隊やLOVEずっきゅんのB級感は何時聴いても最高で、夏の黄金比のコーラスは何度聴いても気持ちが悪い。良いアルバムだ。2ndアルバムでは空間系サウンドを増し、1stのインディーロック臭から脱却して新たな世界観を打ち出した。やくしまるえつこを中心に据えた相対性理論はバランス感覚が素晴らしかった。少しクセのある唄声は繊細なギターと飾らないリズム隊によって引き立てられ、どれが欠けても世界が成り立たない、まさにバンドとしての真骨頂を感じさせてくれた。

「相対性理論は流動的なバンドだ」と公式に語られている。それの指すところがメンバーなのか音楽性なのか定かではないが、TOWN AGEはベースとドラムが入れ替わって初めてのアルバムなので、二つの意味で流動的な相対性理論を体現する重要な作品になるのではないかと期待していた。しかしメンバーは流動したが、TOWN AGEから流動的な音楽性を感じることはできなかった。やくしまるえつこの歌声は変わらず素晴らしい。だがギターリフからは以前の輝きが失われ、リズム隊の音はまるでカーテンの向こうで演奏をしているように聴こえる。

主役と脇役と言う見かけ上の分担はあっても、各自が個性を主張しながら音楽を作り上げることがバンドとして活動する意味であり、それが失われては単なる歌手のソロ活動である。やくしまるえつこのファンならば垂涎もののアルバムだが、初期から聴いているうるさ型の相対性理論ファンにとっては物足りないのではと思った。相対性理論と言うフワッとしたイメージを相対性理論自身が追いかけた末に辿り着いたのがTOWN AGEだったのだろうか。パラレルワールドだった東京は今やTOKYO CITYになってしまった。5年間はバンドが変わってしまうのに十分な時間だった。